映像知識0な僕が映画技法を学ぶためにした3つのこと
あるUE4の勉強会で映画基礎について登壇したときの質疑応答で「どういうところから勉強をしたのでしょうか?」という質問を頂きました。
そうなんです。以外とゲーム開発に携わる方は映像の知識が出回っていません。
そこで僕がした3つのことを説明します。これから勉強をしたいと思う方へ参考になればと思います。
本を読む
これが一番多くの知識を得ることが出来るでしょう。とはいえ、「映画技法 本」で検索をするとかなりの専門書がヒットします。もうその時点でどれを読めばいいのか分からないという方がいるでしょう。
そこで今回は僕が参考にさせてもらった書籍を幾つか紹介しようと思います。
映画のシーンの構図を画像付きで説明しています。
まずはこの本を読んで色々な撮り方を学んでいくのがいいと思います。
様々なカメラワークを説明している本です。
この本を読む前にある程度映画を観ておかないと理解がしにくいと思います。
もちろん、これ以外にも良い本はありますし僕も持っていますが一先ずはこの2冊だけで問題ないです。
サイトを調べる
これも有効です。多くの方々がブログ等に映画技法のことを書いています。そういったサイトを見て勉強するのもいいと思います。
ブログ以外ではどうか。...YouTubeを使いましょう。ゲームエンジンを触ったことがある人なら分かると思いますが日本語のドキュメントが少ないので英語で検索をかけるしかない。そう、まさにそれです。英語で映画技法と検索をかけましょう。英語が分からない方でも動画での説明ならまぁ少なくとも60%は理解できるはずです。
映画を観る
やはり映画を観ないことにはそもそも本を読んでも理解がしづらいでしょう。本では映画のワンシーンを元に説明しています。せめてその映画は観ておきたいところですね。
Q.忙しくて映画を観る時間がありません!
A.映画はたしかに1時間30分~長くて2時間30分などあります。学生ならともかく社会人にはとても時間が足りない。という方はドラマやアニメを見ましょう。ドラマやアニメにおいても技法は使われているので時間が足りない場合はそちらでも問題無いです。
まとめ
以上が僕が行った3つのことです。恐らく当たり前じゃない?と思った方もいると思いますが映画の専門や大学に通ってない人からすればどう勉強すればいいかわからない事が多いので今回纏めました。
この3つ以外にも行ったことはありますがあくまでこれはそういった専門の方が近くにいればの話ですが詳しい人に聞くということも有効です。
そういった技法について分からないなぁ等あれば答えられる範囲はツイッターで連絡くれれば答えますので気軽にどうぞ。
少しでもこれから勉強したいと思っている方々に役に立てばと思います。
ゲームなど映像で使われるイマジナリーラインについて
よくイマジナリーラインを超えてはいけないという言葉を
耳にする方も多いと思います。
そもそもイマジナリーラインがなんぞやという方に説明します(´◉◞౪◟◉)
あ、僕はゲーム会社に勤務するしがないゲームデザイナーです..。
イマジナリーラインについて
例としてよく挙げられていますがここでも二人の会話シーンで説明します。
AさんとBさんを結ぶ真ん中の線をイマジナリーラインと言います。この線の片側どちらかにカメラを置いたらカメラを切り替えてもこの線を超えてはいけないという法則です。
この画像だと右側にカメラがあるのでこの線の反対側(左側)にカメラを持ってはいけません。
今回は2人ですが3人など複数の場合にも言えることです。
では、実際の映画ではどうなっているのか
こちらの18秒からの会話シーンの映像を見てもわかる通りカメラはイマジナリーラインを超えてはいません。
では人物だけイマジナリーラインが存在するのか?
それは間違いで被写体が物でもこの法則を使います。
被写体が物の場合
こちらも4:12秒から始まる黒電話と人物とでイマジナリーラインが存在しています。
なぜ超えてはいけないのか
超えてしまうとAさんとBさんとの位置関係と方向性が逆転してしまうため
視聴者側はAさんとBさんが瞬間移動したように感じるからです。
イマジナリーラインは超えてもいいのか
個人的に超えないように作るのが原則だと考えています。
ただ、超えても問題はないといえます。しかし、超えてしまうと人物の位置関係が
わかりづらくなるため超えるなら違和感のないように見せる作りにしなければいけません。
ゲーム「The Order:1886」の1:52秒でカメラを回り込ませる方法で超えています。
このような方法も存在しますがまだまだ他にも超える方法はあります。
イマジナリーラインを超えるということは何かしらの変化(例:物語における人物の立場が変わった等)という意味で使われます。そういう意図を理解した上で故意にラインを超えるなら問題ないと思います。
ラインを超えている作品
イマジナリーラインを実際に超えている作品はというと「エスター」です。
エスターというこの女の子は不気味、裏があるというような存在として
物語では扱われています。そのことを意図的に伝えているシーンです('ω')
ゲームでは
ゲームでもNPCに話しかけたときなどの会話イベントで使われることが多いです。
二ノ国2でも4:36から5:32秒での会話イベントでラインが使用されています。
最近のゲームでは、シームレスにゲーム画面に遷移することが多いためカメラを回り込ませることが簡単でイマジナリーラインを超えることが安易になっています。
シームレスすぎるからこそ難しいときもありますが....。
【UE4】シーケンサー アニメーションブレンディングを使ってみる
4.15がリリースされました!と同時期にぷちコンも発表されました!
そんなわけで追加されていたアニメーションブレンディング触ってみました。
今までキャラクターをシーケンサー上で歩かせた場合
walk→idleに切り替わるときパッと切り替わってしまいました。
それが直せるってすごーーい!!
【1】まずは適当にキャラクターを歩かせて作っていきます。
※↓の場合、1秒間歩いてidle状態に戻ります。
このままだと、いつものようにパッと切り替わってしまいます。↓
【2】idleアニメーションをwalkアニメーションと少し被せて
左側にあるWeight値を0にします。
【3】今度は、シークバーをtransformと重なるようにしてWeight値を1にします。
【4】今度は、シークバーを先ほどweightを0にしたところに持っていきます。
そして、walkアニメーションのweight値を1にします。
【5】シークバーを先ほど1にしたところに合わせて
walkアニメーションの値を0にします。
これで先ほどよりパッと切り替わることがなくなったと思います。
少しおかしいですが調整すれば直るはずです。
そして吹っ飛ぶグレイマン。
【UE4】FPSゲームによくある懐中電灯のラグ
どうも、お久しぶりです。
先日、バイオ7と一緒にPS4も買ってしまいました。
わーい!すごーい!たーのしーけど凄い形相をしたオバさんフレンズに会いました。
そんな事は、置いておいて。
FPSゲームによくある懐中電灯のラグの作り方です。
先ほどなぜバイオ7を出したのかというと非VRモードでは、カメラを動かすと
懐中電灯の光が若干遅れます。
それです。
【1】まずは、懐中電灯用のスポットライトを追加しましょう。
【2】SpringArmをAdd Componentから追加しましょう。
追加したらスポットライトと親子付けします。
【3】SpringArmの詳細を見ます。
Camera CollisionのところでDo Collision Testからチェックを外します。
(外さないと懐中電灯の光が壁に埋もれる)
後は、Lagのところにチェックを入れましょう。
【4】忘れてはいけない。
CameraにSpringArmを親子付けします。
(上下にカメラを移動させたときにライトがついてこない)
恐らくこれで実装できると思います。
懐中電灯のリングについては、こちらで書きましたので気になる方は、どうぞ。
【UE4】シーケンサーで映画の表現を再現[フォーカス]
お久しぶりな更新です。
映像制作ツール「シーケンサー」を
使って映像作品で見る表現を作っていこうと思います。
第2弾!!
さて、今回作っていくのはフォーカスです。
フォーカス、映像の業界ではよく使われる技法です。
ピントの合う点を変える操作ですね。
↑は、僕が先日GGJにて作成したムービーの一部です。
キャラクターにピントが合って周辺は合っていませんよね。これがフォーカスです( *´ω`)
まず、フォーカスには
- フォーカス・イン
- フォーカス・アウト
の2つがあります。
まぁ、他にはラックフォーカス(送りフォーカス)などがありますがまぁそこまで作るのは難しくありません。
フォーカスは、余計なところの情報をなくす。この画像ですと周りの木の情報ではなく人を見てくれ!!っていうのが伝わってきますね。
そもそもフォーカスイン/アウトとは。
- フォーカス・イン
徐々に被写体にピントを合わせていく。
(例)朝、目が覚めた時のシーン。
- フォーカス・アウト
徐々に被写体からピントをずらしていく。
(例)意識が遠のくシーン。
使い分けると表現の幅が増えそうですね('ω')ハイッ!
フォーカス・イン/アウトをシーケンサーで表現するのはかなり簡単です。
フォーカスインの仕方
【1】Level Sequenceでシーケンサーを立ち上げる。
【2】Cine CameraActorを配置しましょう。
【3】分かりやすい用に最初からだいぶボカします。
Manual Focus Distanceを15ぐらいに数値を弄ってキーを打ちましょう。
【4】ピントを合わせたい時間にシークバーを合わせる。
【5】詳細パネルのFocus Settingsを見てみましょう。
Focus Methodがありますね。
その横にあるスポイトマークをクリックしてピントを合わせたいアクタ(被写体)に
クリックしてみましょう。
フォーカスがいらない場合はNoneにしましょう。
【5】ピントが合ったらManual Focus Disatanceの横にあるアイコンをクリック。
恐らく徐々にピントが合っていくのではないかと思います。
フォーカスアウトは、この点を逆にをすれば出来ると思います。
僕も、被写体にピントを合わせた状態で他の周りの情報をボカす、度合いを変える方法がわからないので悩み中です。
分かる方がいればツイッターなどで('ω')
【UE4】シーケンサーで映画の表現を再現[カメラの手持ち感]
時間があれば1日に4作品映画を見るほど映画好きな人です。
今回は、UE4.12で正式版となったマチネに代わる映像制作ツール「シーケンサー」を
使って映像作品で見る表現を作っていこうと思います。
-追記(2018/10/26):4.20で入った機能のVirtualCameraを利用することで
カメラの手ブレ感 (Handheld camera) を出すことが出来るようです。
カメラの手ブレ例
↑の映像では、手持ちで撮られているシーンも使われているのでオススメです。
UE4では、何もなしにカメラを移動させるとスーッとそのまま綺麗に流れます。
そう!綺麗に流れます。というか綺麗すぎる。
ということで手持ち感(手ぶれ)をだしたいっ!
※今回のバージョンは、UE4.14です。
作成方法
【1】Level Sequenceでシーケンサーを立ち上げる。
【2】Cine Camera Actorをレベル上に配置する。
※このときShiftを押しながら配置するとSpawnnableとして追加される。
【3】取りあえずいい感じにカメラを動かしてみる(*'▽')
↑今回は、こんな感じでカメラを動かしてみました。
【4】CameraShakeを作成する。
【5】CameraShakeの設定はこんな感じです。
(※感覚で打ち込んだだけなのでリアルの手持ち感を見せるためにはもっと修正がいります)
【6】CameraShakeを追加する
CameraComponentのTrackに新しくCamera Shakeが追加されているはずなので
先ほど作ったCameraShakeを追加する。
【7】追加されているのを確認する。
※このとき1.5秒でShakeが切れているがキャラクターのアニメーションのように
引き延ばしてしまうとshakeが上手いこと反映されないのでまた新しく追加する。
【8】実際に動かしてみる。
※多少の違和感は数値を弄ることで恐らくマシになります。
【UE4】ホラーゲームあるあるを作る[懐中電灯]
どうも、ホラゲーとホラー映画が大好きな人です。
最近は、昔見た「死霊のえじき」をご飯を食べながら見たら吐き気がしました。
ということでFPSのホラゲーでよくある懐中電灯のライトを作っていこうと思います('ω')
作り方
【1】FPSテンプレートでプロジェクトを作成する。
【2】Add ComponentからSpotLightを3つ追加し
Mesh2Pに親子付けする。
【3】1つめのライトは、↓のような設定です。
【4】2つめ
【5】3つめ
【6】ライトを、自分の思う良い位置に変更。
※ライトは、全て同じ位置にする。
恐らくできると思います('ω')
ライトが上下に動かない場合は、親子付けの位置を確認してみてください。