ぎんさんとゲームと映像と...

ゲームデザイナーによるUE4,5と映像技術ブログ

ゲームなど映像で使われるイマジナリーラインについて

よくイマジナリーラインを超えてはいけないという言葉を

耳にする方も多いと思います。

 

そもそもイマジナリーラインがなんぞやという方に説明します(´◉◞౪◟◉)

あ、僕はゲーム会社に勤務するしがないゲームデザイナーです..。

イマジナリーラインについて

例としてよく挙げられていますがここでも二人の会話シーンで説明します。

f:id:Gingamedev:20180715193211p:plain

AさんとBさんを結ぶ真ん中の線をイマジナリーラインと言います。この線の片側どちらかにカメラを置いたらカメラを切り替えてもこの線を超えてはいけないという法則です。

この画像だと右側にカメラがあるのでこの線の反対側(左側)にカメラを持ってはいけません。

今回は2人ですが3人など複数の場合にも言えることです。

では、実際の映画ではどうなっているのか

こちらの18秒からの会話シーンの映像を見てもわかる通りカメラはイマジナリーラインを超えてはいません。

では人物だけイマジナリーラインが存在するのか?

それは間違いで被写体が物でもこの法則を使います。

被写体が物の場合

こちらも4:12秒から始まる黒電話と人物とでイマジナリーラインが存在しています。

なぜ超えてはいけないのか

超えてしまうとAさんとBさんとの位置関係と方向性が逆転してしまうため

視聴者側はAさんとBさんが瞬間移動したように感じるからです。

イマジナリーラインは超えてもいいのか

個人的に超えないように作るのが原則だと考えています。

ただ、超えても問題はないといえます。しかし、超えてしまうと人物の位置関係が

わかりづらくなるため超えるなら違和感のないように見せる作りにしなければいけません。

 ゲーム「The Order:1886」の1:52秒でカメラを回り込ませる方法で超えています。

このような方法も存在しますがまだまだ他にも超える方法はあります。

イマジナリーラインを超えるということは何かしらの変化(例:物語における人物の立場が変わった等)という意味で使われます。そういう意図を理解した上で故意にラインを超えるなら問題ないと思います。

ラインを超えている作品

イマジナリーラインを実際に超えている作品はというと「エスター」です。

エスターというこの女の子は不気味、裏があるというような存在として

物語では扱われています。そのことを意図的に伝えているシーンです('ω')

ゲームでは

ゲームでもNPCに話しかけたときなどの会話イベントで使われることが多いです。

二ノ国2でも4:36から5:32秒での会話イベントでラインが使用されています。

最近のゲームでは、シームレスにゲーム画面に遷移することが多いためカメラを回り込ませることが簡単でイマジナリーラインを超えることが安易になっています。

シームレスすぎるからこそ難しいときもありますが....。